後縦靭帯骨化症
- 投稿者:遠藤 徹
- [ 日々の出来事 ]
- 2015年5月13日
後縦靭帯骨化症と聞いて、よく知っていますという一般の方は
少ないのではないでしょうか?
特定疾患(いわゆる難病)に指定されている疾患ですが、
整形外科診療では比較的、出会う機会が多い疾患です。
後縦靭帯とは脊椎の神経の通り道(脊柱管)の前方部分に存在する
靭帯のことで、それが厚くなり、骨のようになる疾患です。
一つの原因で生じる病気ではなく、複数の要因が関与して
発病すると考えられています。
遺伝的な要因、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満、
老化現象など様々な要因が重なって発生しますが、
原因の特定には至っていません。
固く肥厚した靭帯は、脊髄を圧迫するため、
手足のしびれや痛み、手足の運動障害・麻痺、歩行障害、
排尿や排便の機能の異常をきたします。
軽いしびれ程度の場合は、薬や理学療法などの治療を行うことが多く、
手足の運動障害、麻痺、歩行障害などをきたすような重症になれば
手術を行うことが一般的です。
特定疾患に指定はされていますが、
無症状で経過する方もおられますし、
手術によって機能が回復することは十分期待できるので、
不治の病という印象は持たなくてもいいかとは思います。