石灰沈着性腱板炎
- 投稿者:遠藤 徹
- [ 日々の出来事 ]
- 2015年1月19日
少し聞きなれない名前の病気ですが、
整形外科にはしばしば受診される疾患の一つです。
肩の激痛を起こす疾患ですが、いわゆる五十肩と同じような症状を起こします。
40~50歳代の方に多いのでまさしく五十肩と同じ感じですが、
少し病態は違って、肩の腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶によって
急性の炎症が生じ、肩の痛み・運動制限をきたします。
急性期を過ぎると、激痛はなくなり、動かす時に痛みが出たり、
肩の動きの制限が残ることが多いです。
症状からは五十肩と区別がなかなかつきません。
通常五十肩では、レントゲンに異常がありませんが、
石灰沈着性腱板炎の場合は沈着している石灰が写るので
レントゲンさえ撮影すれば診断は容易です。
治療は五十肩と同じような治療を行うのですが、
急性期の激痛を早く取るために、腱板に針を刺して沈着した石灰を
吸引して取り除く方法があります。
石灰化した部分は、長期たったものはカチカチに固まっていますが、
比較的日にちが浅いものは、歯磨き粉を水に溶いたような感じで
結構ドロドロしています。
この状態なら注射針で吸い出すことができます。
表面からはどこに石灰があるのかはわかりませんので
エコーを用いて、吸引することで確実に石灰している部分に針がさせます。
肩の痛みを自覚した際には、この病気の可能性もありますので
整形外科でご相談ください。