石灰沈着性腱板炎
- 投稿者:遠藤 徹
- [ 日々の出来事 ]
- 2014年8月23日
肩関節の痛みを生じる疾患で五十肩はよく知られていますが、
同じような肩の痛みを来す疾患に
石灰沈着性腱板炎と呼ばれるものがあります。
一般の五十肩に比べると、激しい痛みであることが多く、
夜中にうずくような痛みが出る場合もしばしばあります。
症状が比較的短期間で治まるものもあれば、
慢性的に痛みが続くものもあります。
中年の女性に多くみられ、肩を動かすスジ(腱板)に
リン酸カルシウム結晶が沈着(石灰化)し、炎症を生じることによって起こります。
診断はレントゲンを撮れば石灰が写るので比較的容易です。
石灰は、ドロッとした状態で、時がたつにつれ、硬く変化していきます。
ドロッとした石灰は、エコーで確認しながら
注射器で吸って取り除くことができることがあります。
固くなってしまったものは吸い出すことができないので、
他の方法で石灰をなくすように試みます。
胃薬(H2ブロッカー)は石灰を溶かす作用があることが知られています。
また超音波治療でも縮小することがあります。
最近は、腎結石などの治療に用いられる体外衝撃波を用いることもあるようです。
様々な治療を行ってもの痛みが強く、肩の運動に支障がある場合は
手術で摘出することもあります。
たとえ、石灰が残っていても、薬や注射、リハビリ治療で
痛みが改善する場合も多数あります。
五十肩と自分で診断をつけてしまって治療を受けていない方は
こんな病気もあるので診察を受ける方がいいと思います。