ド・ケルバン病

ド・ケルバン病は、手関節の親指側の腱鞘炎のことです。

 

よく、ある疾患ですが、

最近、妙にこの疾患で受診される方が多いので書かせてもらいました。

あまり季節にも関係ないので、たまたまでしょうが・・・

 

腱鞘は、関節を曲げ伸ばしするスジ(腱)が通るトンネルのことです。

手をよく使うことで起こることが多く、腱鞘が炎症を起こし、肥厚することで

腱が腱鞘の中を通りにくくなり、さらに炎症を引き起こす、悪循環を来します。

治療は、安静、消炎鎮痛薬の内服・外用、装具の治療、ステロイドの注射などが

一般的な治療法です。それらの治療法で改善しない場合は手術が検討されます。

 

ところで、ド・ケルバンの由来ですが、人の名前であることは容易に想像がつきますが、

de Querveinと書き、18世紀末~19世紀初頭に活躍した

スイスの外科医 Fritz de Quervain由来するそうです。

この方ですが、甲状腺疾患の大家みたいです。

亜急性甲状腺炎と言う疾患がありますが、ド・ケルバン甲状腺炎とも言うらしいです。

そんな名前がついていることは初めて知りましたが、

昔の医師は、手の治療もすれば、甲状腺の治療もする、何でも屋さんですね。

現代は、医療が高度になり、専門化が
すすみ、

何でもかんでも深い見識をもつことは困難ですが、

広い分野に見識を持つことは見習いたいところですね。